ヨガインストラクターが必ず知っておきたい身体のこと
皆さんは、ヨガインストラクターってどんなイメージがありますか?
・美意識が高い
・身体について色々知っている
・健康に詳しい
こんなイメージはありませんか?
私もRYT200を取るまでヨガのイントラさんは「身体についてなんでも詳しい」と思って疑いませんでした。
実際にRYT200をはじめとしたヨガの指導資格のカリキュラムには、安全に指導するために必要最低限の「解剖学」が含まれます。身体の仕組み、筋肉の働き、骨や関節の動きなど、身体を動かすために必要な基礎知識を何時間もかけて学ぶのです。
しかし、リハビリをサポートする理学療法士や、街の整体院にいる柔道整復師や整体士のように、身体そのものについて何年も長い時間をかけ学ぶわけではありません。ですので、ヨガのポーズ(アーサナ)の誘導は出来たとしても、意外と身体の正しい動かし方を理解しているイントラさんは少なく、逆を言えば、解剖学への苦手意識を持っているイントラさんが実は多くいるのです。
では、なぜ苦手意識を持ってしまうのでしょうか。苦手意識を持つ理由がしっかりあるのです。
目次
ヨガイントラは解剖学が苦手!?
全てのイントラさんが「解剖学が苦手」というわけではありません。
私がこれまで見てきた中で、イントラ歴1〜5年位の方が解剖学に苦手意識を持ち、逆に10年以上活動してきているイントラさんはご自身なりに解剖学を深め、一人一人の身体の違いを楽しんでいるようにも感じます。
苦手な度合いは人それぞれあると思いますが、養成講座でも学んできているのに、なぜ苦手意識を持つ方が多いのでしょうか。
まず可能性として、そもそも女性は空間認識力が弱いといことがあります。
私たちの身体は筋肉の層が何層にもなっていたり、神経がさまざまに入り組みとても複雑なのです。身体を安全に動かすことを解剖学的に考えると、その複雑な仕組みを立体的に考える必要があるのですが、そもそも、女性脳はそういった立体で考える空間認識力に弱いのでどうしてもうまく想像できない。。。。ということがあるのです。
よく、地図を使って例えられることもありますよね。それです(笑)
私自身も例外ではありませんので、やはり筋骨格のイメージを持つのは苦手でした。
でも、だからといってそれだけで解剖学が苦手になるはずがありません。
ではなぜ?
ヨガの指導者養成講座の中で、生きた解剖学を学べないことが大きな理由なのではないでしょうか?
生きた解剖学とは?
ヨガの養成講座では、イントラの資格を目指す方の多くが初めて身体のことを1から学びます。
これまで、腹筋と言っていたものが「腹直筋」「外腹斜筋」「内腹斜筋」「腹横筋」であることを知り、背骨の一つ一つに名前がついていることを知り、呼吸をすると身体が整う事の根拠を知ります。
例えば、全米ヨガアライアンスが定めるRYT200のガイドラインの中でも解剖学は必須科目としてあげられていますが、その時間数はスクールによって変わっていきます。ですので、学んだスクールがヨガの指導する上で必要最低限の解剖学しか教えていない可能性もあるのです。
実際に、イントラになった私たちが「解剖学」に対して苦手意識を持つのは、生徒さんを目の前にレッスンの指導を始めた時ではないでしょうか?
想定以上に身体が硬い・肩こりが酷い・左右差が強いなど、養成講座の中では学びきれなかった多くの「症例」を目にした時に、ご自身の勉強不足を感じたり、どう対応していいのかわからないという不安が「解剖学が苦手」という認識になるのではないかと思います。
ヨガのレッスンを行うと、前途でも上げたようなスクールで学んでいた時にはわからなかった「身体の悩みを抱えた生徒さん」に出会うことがたくさんあります。
・肩こり
・腰痛
・冷え性
・左右差
・身体の固さ
・偏頭痛
・生理不順…etc
例えを上げたらキリがないくらい、みなさん身体の悩みをたくさん抱えていて、ヨガのイントラならそれを解消でしてくれるかもと期待を込めて相談してくるのです。
そうなったら期待に応えたい!と頑張るイントラさんしかいないと思います。
目の前で悩んでいる方を放っておくことなんてできませんから。
そうなった時に、ご自身の持っている解剖学を始めとした「身体に対する知識」は、いったいどこまで本質の答えに導くことができるのか、なのです。
解剖学への不安から、たくさんの本を読んだり、調べたりという方も実際たくさんいます。インプットをどんどんしていても、いざ必要な時にすぐアウトプットできないということは、頭の中でその多くの情報がつながっていないのです。答えは持っているのに、引き出せないのです。
筋肉や関節の名前やその働きはわかっていても、痛みや不具合があったときにどう対処すべきなのか、
気になる歪みの原因をどう見つけたらいいのか、
そもそも肩こりや腰痛などの症状がある人に対して、普通の方と同じようなインストラクションでいいのか?!
実践を繰り返し、目の前の疑問を突き詰めていくとどんどん沼にハマっていくのが解剖学の醍醐味と言えますね(笑)
私は、「生きた解剖学」とは、実際にそういった生徒さん一人一人のお体の悩みに応えていく解剖学だと考えます。
aratiの場合、RYT200講座の中でこういった症例に対するレッスンの組み方、インストラクションの方法など実践していきます。
また、整体講座を通して身体×感情のつながりや身体の癖もみる練習をするので、一般的なスクールの卒業生に比べ身体への理解が深いです。ですが、せっかくあるご自身の知識がつながっていない方も多いのは事実です。
せっかく勉強した知識は、最大限に生かしたいですよね!
では、どうやってこういった疑問を解消できるようになればいいのでしょう?
実践に使える「身体を見るスキル」
イントラとして1回のレッスンで生徒さんに心地良さや効果を感じてもらいたいと思うのは当たり前のことです。
ですが、効果を出したいと思うあまり、生徒さんの身体を過剰に頑張らせてしまうことはありませんか?
日本人の特徴として、少し無理をしても頑張ることを良いとする傾向になりますが、それが怪我や痛みに繋がることは実はとっても多くあるのです。
ヨガレッスンでのあるあるで言えば、例えばヴィラバドラーサナ2(戦士のポーズ2)を思い浮かべてください。
イントラの真似をして一生懸命に頑張る生徒さんがいます。
でも、反り腰のせいでバンダへ力が入らず、お腹も伸びてしまいインナーが使えずより腰に負担がかかる、股関節も解れていないので曲げた膝も内側に傾いている、一生懸命頑張っている分、肩の力が抜けず僧帽筋も緊張、胸周りも窮屈そう、意識が前に向いているせいで上体が前に傾いている。。。。。。。。
こんな生徒さんいませんか?
見ている方も苦しくなるくらい頑張っているのであれば、生徒さんご自身もきっと心地良さは感じていないでしょう。
その間違えたヴィラ2が正しいと信じて続けることで、反り腰や肩こりは悪化するかもしれません。
ヨガの経験を積んで慣れている方も、間違った身体の使い方が自然と身についていることはよくあります。ヨガを続けているのに、思うように姿勢が改善しない、肩こり腰痛がよくならないというのも、もしかしたら身体の使い方がまちがえている可能性が高いのです。
近年では【ヨガ保険】が出来るくらい、レッスン中や練習中の怪我に対して深刻に扱われるようになりました。とあるアンケートでは、ヨガで怪我・負傷したことのある方は全体の7割、痛めた箇所は「手首」、続いて「首」、「膝」だそうです。
これも、過剰に無理をした代償と考えてもいいかもしれません。
確かに、保険に入ることも大切かもしれませんが、一番大切なのは「怪我をしない・させない」ことなのではないでしょうか?
ヨガの指導をする私たちが、生徒さん一人一人に合わせた可動域やその人(身体の癖)に合わせた安全な身体の動かし方を見ることができれば、生徒さんの怪我は確実に防げます。また、自分自身の身体が正しく使えているかどうかわかれば、ご自身の練習の際の怪我を防ぐことができます。
この「身体を見るスキル」というのが、ヨガインストラクターにとってとても大切なスキルの一つになるのです。
コロナ禍で大人数でのレッスンが自粛され、少人数やパーソナルレッスンに切り替えるスタジオも増えました。レッスンは対面からオンラインへと移行するようになりました。
イントラが一人一人の身体をしっかりと把握し、安全な指導をする時代が確実にきているのです。
おうち時間が増えたことでヨガの認知度も上がり、気軽にヨガを始められる環境になりましたが、これからまだまだ続くことが予想されるコロナ禍で私たちイントラがヨガの指導を続けていくためには、「一人一人の身体に合わせた指導」をするスキルが確実に求めらます。
ヨガは、心と身体を整える最高のツールです。
そんなヨガをお伝えする私たちは、ヨガの知識だけでなく「正しい身体への理解」も驕ることなく学び続けなければいけません。
生徒さんからの質問にも的確に応えられる
少人数クラスやパーソナルを初めて一番初めに困ることは、生徒さんからの質問に的確に応えられないことではないでしょうか?
生徒さんからしたら何気ない質問でも、イントラは頭をフル回転して原因を探ります。(私も経験済みです)
そんな時に、どこから考えたらいいのかわかりますか?
例えば、
「なぜ開脚が苦手なんだろう」
という生徒さんからの質問に対して、あなたならどう応えますか?
ポイントは、この時あなたがどれだけ原因となるパターンを想像することができるかなのです。
プロのトレーナーであれば身体を見ただけで判断することができるかもしれません。もしかしたら、すでにトレーナーレベルでの目線を持っている方もいるかもしれませんが、まず、生徒さんと一緒にあなたが思い付いたパターンを一つずつ検証して消していくことをお勧めします。
臀筋が硬いのかもしれないし、内転筋が硬いのかもしれない、BLが硬いのか、骨盤が後傾しているのか、思いつくだけの要素をあげ生徒さんの身体を見るのです。
実際、生徒さんからのお悩み相談は、上記のようなシンプルなものから、ちょっと考え込んでしまうような複雑なものまでたくさんあります。
私自身が過去に生徒さんから受けた実際の質問ですと、
・右足を前にしたヴィラ1のとき、前足だけがどうしても不安定になってしまう
・トリコナーサナの時、前足の足首に痛みがある
・ダウンドックの時に手首が痛い
・あぐらをして肩の力が抜けない
・骨盤底筋の使い方がわからない
など、レッスンを繰り返していくと、一つ一つのアーサナに対しての疑問が出てくるようになってくるのです。生徒さん自身もヨガを深めることができるからこそ出てくる疑問なので、嬉しい反面、一瞬ドキッとしますよね。
生徒さんからの質問は突然くることがほとんどですが、その質問を受けた時、私はとっても嬉しいのです。
なぜなら、「この先生に聞いたら答えがわかるかもしれない」と少なからず思って質問してくれているからです。
実際に私は、問題になるアーサナをとってもらいながら、身体の動かし方、意識の向け方などで解消することができました。左右差が原因の場合は日常生活から姿勢を意識してもらったり、感情や思考が影響する場合は簡単なアドバイスをしたりと私なりに生徒さんの疑問と向き合い続け、その経験を積み重ねることで「一人一人の身体をみる力」を確実に自分のものできたと思います。
生徒さんからの質問に的確に応えられるようになったり、一人一人の身体を見るスキルを身につけるには、ただ闇雲に経験を積めばいいというわけではありません。
aratiでは、より正しい知識を習得するためにインストラクターに向けた解剖学講座を展開しています。
ヨガのための機能解剖学講座
・今まで当たり前のように伝えてきた指導法がもしかしたら間違えていたのかも
・できていると思っていたポーズも実は代償動作が働いていた!?
・イントラさんにありがちな間違った身体への思い込み
講座を担当するのは、プロスポーツ選手からモデルまで幅広い方へパーソナルトレーニングを行なっているプロトレーナー(運動指導士)の藤田英継先生。
藤田英継先生プロフィール
東京大学大学院での専攻分野は身体運動科学。
脂肪燃焼の効率化やトレーニング効果を最大限に引上げるエネルギー代謝の研究に没頭し、ダイエットやボディメイクを細胞・遺伝子・ホルモンのレベルから説明する知識を習得。
パーソナルトレーナーとして述べ7000人を指導してきた経験と学術的な研究経験を元に、トレーナーやインストラクターの養成講座のプロデュースや監修に携わる。
論理的で分かりやすい指導スタイルが好評で、外交官、モデル、会社役員などエグゼクティブなクライアントに多数指導。著書「そのヘルシーがあなたをデブにする」もベストセラー。
以前、藤田先生とaratiのLisaで対談をしたことがあるのですが、その中で藤田先生、「ヨガのイントラさんは、トレーナーの常識ではあり得ないちょっとすごい事(間違った指導法)をいっていることがある」とおっしゃっていました。
ちょっとドキッとしますよね。
正しいと思っていたことが、実は間違えているかも。。。。
そんなこと、考えたことがありませんでしたので、迷わず藤田先生の講座に参加したのです。
◉藤田先生とLisaの対談はこちらから
各10分程度になります。
①https://youtu.be/0fDYnnZePPU
②https://youtu.be/LPWIzT8NdFk
③https://youtu.be/BVoSD-O4KJ0
講座の中ではまず、身体にどんな疑問を持っているのか、からスタートします。
この「疑問」こそが、私たちの解剖学知識をあげるポイントなのです。
講座には、すでにイントラとして活動されている方から、RYT200卒業しこれから活動をスタートする方まで幅広くいらっしゃいます。みなさん、生徒さんに対して安全に効果的に指導したい!という思いをお持ちですので、みなさんがあげた「疑問」の一つ一つを身体を動かしながら、体感し解消していきます。
遠方からの方はオンラインでの参加になりますが、もちろん藤田先生がしっかりと画面越しに身体の使い方を確認しますので、ご安心ください。
あなたの解剖学の知識+意識するポイントで、使いたい筋肉が使えているのか、違うところに刺激が入ってしまうのか、身体の奥深さを感じるとともに、そういった身体の細かい部分まで理解できることでインストラクションの精度が1ランク・2ランク上がり、より生徒さんにとって効果的なヨガをお伝えすることになるのです。
もし解剖学は苦手と、ちょっとでも感じるのであれば、まずは「苦手」を「興味深い」に変え、経験を積みながらいつか自信を持って「得意」と言えるようにしてみませんか?
ヨガのための機能解剖学講座
日程:2021年10月8・15・22日
金曜 9:30〜12:30
※22日は実技回:スタジオorオンライン選択可能
※ご都合が合わない回は次回開催に振替OK
開催方法:オンライン
22日のみスタジオorオンライン
定員:8名
上限を超えた場合、キャンセル待ちとなります
受講料:36000円/税込39600円
※RYT300まとめ割:33000円/税込36,300円
(RYT300としてお申し込みの方対象の特別割引)
支払い方法:口座振り込み
\2021年12月末までにお申し込みの方限定/
RYT300としてお申し込みの場合、再受講無料キャンペーンの対象となります。
修了証の日付から1年間の間に開催する本講座を何度でもご受講いただけます。